2011JPA国会請願
 

請願団体 日本難病・疾病団体協議会(略称 JPA) 》》詳細はこちら
名  称  「難病、長期慢性疾患、小児慢性疾患の総合的対策を求める」国会請願
実施日時  2011年5月30日 国会請願集会      午前10時から11時
                   各議員への請願行動 午前11時から
会  場  衆議院第1議員会館、第1会議室(請願集会)
署名数   90万2000 筆
紹介議員 衆議院》》こちら
       参議院》》こちら
結  果 衆議院;採択の上内閣送付(8月31日)
      参議院;審議未了

   

         積み上げた署名簿の前で請願説明をする代表

    新しくなった議員会館

 難病対策、長期慢性疾患、小児慢性疾患の総合対策を要望する請願は、私たちにとって年に一度の重要な活動です。今年は前日の大雨にもかかわず、大震災で被災した東北を含む全国から、患者・家族が新しくなった衆議院第1議員会館に集まりました。
 冒頭で伊藤代表は「就労や介護、年金の問題などさまざまな制度の不十分さのなかにおかれていることを含めて、病気だけに立ち向かっているのではなくて、病気に立ち向かうためには生活の安定や介護の問題などさまざまな総合的にあるということを訴えていただきたい」といったあいさつがありました。その上で、私たちが医療や福祉の基盤になっているので、私たちの問題を解決していくことが日本の医療と福祉を向上させることになるとしっかりと基盤に据えて訴えていくことを強調しました。
 そして7名の国会議員の先生方から激励のあいさつをいただき、19名の秘書さんもお見えになりました。
集会後、さっそく各班ごとに90万筆の署名を携えて議員事務所を訪問、請願主旨を説明させていただくとともに紹介議員の要請を行いました。

1.請願集会 午前10時〜11時
(1) 司会あいさつ
(2) 主催者あいさつと請願の説明
(3) 国会議員激励のあいさつ
(4) 要請行動の班割の確認等

主催者あいさつと請願の説明
 日本難病・疾病団体協議会代表 伊藤たてお
今回の署名も難病というだけでなく、長期慢性疾患、小児慢性疾患も含めた総合対策を求める請願書です。また、これらの疾患の医療費助成だけでなくて、研究や福祉的施策も含めた総合的施策の請願だということを、ぜひ訪問先でご説明をお願いします。
今回の請願は、内容を厳選して5項目にまとめています。ハンディを病気と障害、あるいは身体の障害、精神の障害と分類する今の制度のあり方が国民のなかに大きな不公平をもたらしているということを基本にしています。そのことを私たちが強く訴えなければなりません。 詳細はこちら

激励のあいさつ
 公明党衆議院議員 江田康幸さん                       
請願事項で特に医療費がかかる難病や慢性疾患のみなさまのために、公明党は自公政権のときから、菅政権に対しても高額療養費の見直しを進めてまいりました。当面は中所得の方の負担を2つに分けて、300万円以下の所得の方の上限を8万円から4万円まで、半分に減らしていくという具体的なものです。福祉や就労、相談支援も含めて難病のみなさんの法的な担保が必要ではないか。難病対策基本法を基にした新たな難病対策の進め方を、党派を超えて議論して国会で成立を図っていくような流れで進めていかなくてはならないという思いで活動しています。今日は応援していますので、がんばりましょう。

 社民党衆議院議員 重野安正さん 
要請の趣旨等については、せっかくみなさんが苦労して集められた署名がですが、これが本当に国会に届いているのだろうか。こんな思いを持たせること自体、我々立法府に身を置く者としては心が痛むわけでございます。国会において党々はありますが、これが正確に担当部署に届き、そこでしっかりとこの署名の内容あるいは署名をしていただいたみなさんの思いを受け止めるように、行政に対してしっかり物を申していかないといけないと強く感じております。今後とも、みなさんと心を合わせてがんばりぬくことをお誓い申し上げて決意表明と励ましの言葉といたします。どうぞよろしくお願いします。

 民主党参議院議員 谷 博之さん
いわゆる特定疾患治療研究事業のあり方を基本的に見直していかなければいけないだろうと。そしてより多くの難病患者のみなさんが同じ制度を活用するということにしていかなければいけないと。そして今、具体的な検討作業を進めておりまして、どこまで負担を下げられるか、例えば透析患者のみなさんは1万円疾患と言っておりますが、そこまで下げられるのか、あるいはそこまでいかないけれど、できるだけ負担額を下げることができるのか、シュミレーションを交えながら検討を加えております。そう長くないうちに、その方向性を出せるのではないかと思っております。

 みんなの党参議院議員 上野ひろしさん  
みなさんと共に前に進める様にがんばていきたいと思います。先ほどらいも話がありましたが、国会の状況は大変流動的でございます。ただ本日も、私はみんなの党でございますが、他党の先生方を含めて、たいへん多くの先生方がいらっしゃっておられます、この難病対策、慢性疾患対策、けっしてこういう大事な話を政治のために使う、政争のために使う、そういうことはあってはいけないと思います。ぜひ、超党派で実現していく、そういう思いでここにいらっしゃる先生方と協力して進めて行かなければならないと思います。引き続きご支援をいただきますように、よろしくお願いします。ありがとうございました。

 日本共産党参議院議員 田村智子さん 
研究は研究として、企業の英知を使って利益活動とは別個にして行っていかなければだめです。そして根本的に治療の無い病気の医療費の支援をどうしていくのか。医療費の支援の問題は、医療の問題として国が制度のあり方を検討するときに来ているのではないかと思っています。財源など、まだ党派の違いはありますが、命を守ると言う一点ではどの党も一致していると。ここで大いに忌憚の無い意見を国会で交わしあって、みなさんに希望の道が一日も早く見える様に、政策を進められるように、私もがんばっていきたいと思います。まずは請願の採択に全力を尽くしてまいります。どうも本日は、本当にご苦労様です。


 民主党衆議院議員 玉木朝子さん
私は民主党から衆議院に出させていただきましたが、私たちの運動は党派を超えてみんなが一丸となって進まなければ、私たちが希望している「どんな病気になっても、どのような状況になっても安心して医療が受けられる、治療が受けられる」という状況にならないのではないかと、私自身も思っております。今年が90万、昨年は95万、一昨年は92万だったと記憶しております。毎年、毎年みなさんが血のにじむような思いで集めております署名を、国会の都合で無駄にしたくありません。今年こそ採択させましょう。私自身も栃木の署名を持ちまして各先生方の部屋を歩きますので、一緒にがんばりましょう。


 公明党参議院議員 山本博司さん
もう一つ大きな課題というのが、就労支援、生活支援を行う、県ごとの相談・支援体制が平成15年度から都道府県に設置があったわけでございますが、現状は私も四国、中国地方をまわりましたが、なかなかそうした支援がされていないということもございます。残念ながら、今年の予算は(昨年の)2億6000万円から1億円、50%以上減額の1億6000万円という形でございます。やはり難病の方々の就労、生活が厳しいという現実の中で、ここに予算を拡充することが大事でございます。その意味で医療費の高額療養費の減額の問題であるとか、小慢の問題などを含め、超党派でしっかり取り組んでいく決意でございます。

2.請願行動 午前11時〜
 各班ごとに議員の部屋を訪ね、「署名簿」とともに「請願書の院への紹介」をお願いしました。


 
 難病といわれる病気は5,000から7,000もある(厚生労働省調べ)といわれています。そのうち国の難病対策として研究対象になっているのは、難治性疾患克服研究事業として臨床研究分野130疾患(うち医療費公費助成対象の疾患は56疾患)、研究奨励分野177疾患を指定しているに過ぎません。また、小児慢性特定疾患治療研究事業では514疾患を指定していますが、20歳の誕生日を迎えたその日から医療費の公費助成は打ち切られます。さらに多くの長期慢性疾患は医療費の公費助成を受けることも出来ず、福祉の対象にもなりません。保険適用外の未承認・適応外薬を使用せざるをえず、さらに高額の医療費負担を余儀なくされる患者も少なくありません。
 これらの患者は、病気による苦しみや進行の不安、重症化など多くの苦しみに加え、重い介護が家族の負担になる場合が多く、経済的、精神的にも大変厳しい状況に置かれています。
 さらに専門医の不足や地域医療の崩壊、医療制度や福祉制度の変化や複雑な制度の狭間で、ますます厳しい療養生活を送りながら、生涯にわたる医療費の負担にあえいでいます。
 「難病」は決して特別な人だけがかかる病気ではありません。いつ誰がかかるか分からないのです。難病患者や長期慢性疾患の患者、子どもの難病患者とその家族が、安心して治療を受け、一人の国民として、多くの国民と共にこの社会で生活していくことができるように、総合的な難病対策が一日も早く確立されることを願い請願するものです。

請願事項
1. 医療、福祉、年金、介護、就労支援などを含めた、総合的な難病対策の実現を急いでください。
2. 高額療養費制度の見直しを行い、患者負担を軽減してください。生涯にわたって治療を必要とする難病や長期慢性疾患の医療費助成施策の拡充を行うとともに、当面、難治性疾患克服研究事業及び特定疾患治療研究事業の対象疾患を大幅に拡充してください。
3. 難病・慢性疾患の子どもたちの医療費助成制度の拡充、特別支援教育の充実をすすめてください。特に小児慢性特定疾患治療研究事業対象者の20歳からの医療費助成を継続(いわゆるキャリーオーバー問題の解消)してください。
4. 全国どこに住んでいてもわが国の進んだ医療が受けられるよう、専門医の充実を図るとともに、医師、看護師、医療スタッフの不足による医療の地域不平等の解消を急いでください。
5. 都道府県難病相談・支援センターの活動の充実と患者・家族団体の活動を支援し、難病問題についての国民的な理解を促進するため、全国難病相談・支援センターの設置を検討してください。

  
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