JPA2010年国会請願

請願団体 日本難病・疾病団体協議会(略称 JPA)
名  称  「難病、長期慢性疾患、小児慢性疾患の総合的対策を求める」国会請願
実施日時  2010年5月31日 国会請願集会      午前10時から11時
                   各議員への請願行動 午前11時から
場  所  衆議院第2議員会館第1会議室(請願集会)
署名数   94万5230筆
障害者自立支援法「改正」の廃案を求める緊急要望書及び有料購読が8割以上という要件を柔軟にするように求めた低料第3種郵便に関する要望書も、国会議員(緊急要望書は参議員)に手渡しました。
・障害者自立支援法「改正案」についての緊急アピールこちら(PDF)

その他




結果(6月16日追記)
今国会での請願は、衆参両院とも審議未了でした。
野党出席拒否の衆議院厚生労働委員会が国会最終日
(6月16日)に開会されましたが、全会派一致が慣例の請願の採否は決定できないとして、今国会に提出されたすべての請願82種1147件についての委員会での採否は「保留」となりました。
つまり、審議未了=廃案となりました。
参議院も、最終日に開会されなかったため、すべての請願の採否が行われず、審議未了(廃案)となりました。
また、参議院本会議での採決を残すのみだった「自立支援法改正案」についても、廃案という結末になりました。これは逆に良かったのですが。
  
党利党略のみで国民の請願権を奪う、ひどい国会でした。



1.請願集会 午前10時〜11時
(1) 司会挨拶
(2) JPA代表挨拶
(3) 国会議員激励挨拶
(4) 要請行動の説明

主催者あいさつ
 日本難病・疾病団体協議会代表 伊藤たてお
昨年の請願は残念なことに国会の解散、選挙で流れてしまいました。
全国各地から、難病患者・家族の声、支援する方々の声をおおよそ100万も集めたということはたいへんなことだと思います。来年のことはどうなるかわかりませんが、今年集めた95万筆を背負って、今年の声を届けるという意気込みで各議員さんをおまわりいただきたいと思います。今日一日、みなさん一緒にがんばりましょう。

国会議員激励あいさつ
 民主党衆議院議員 玉木朝子さん                         
私自身も議員になって9カ月ですが、難病患者の当事者として議員の立場からいろいろと見させていただいて、本当に一つのことを変えていくのはたいへんなんだということを実感しているところです。ただ、目の前に置かれた、みなさんからいただいた100万からの署名を無駄にすることなく、みなさんと一緒にがんばりたいと思います。それから今日の国会見学ですが、うちの秘書二人も張り切っていますので、ぜひ楽しんでいってください。

 民主党参議院議員 大泉博子さん
私自身は旧厚生省の出身です。一昨日も地元の障害の大会で、自立支援法はどうなっているのだという質問を浴びせられました。今のは総合福祉法ができるまでの「つなぎ法」なのですが、どうも説明不足だったせいか誤解されている部分が多いと思います。今の自立支援法は応益負担なので、その負担軽減のための「つなぎ法」です。みなさまと一緒に、現場の声を聞いてすばらしい総合福祉法を作っていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。

 公明党参議院議員 山本博司さん
医療費負担が重いことも大きな課題です。高額療養費の合算部分でも8万円かかる自己負担を半分以下にしないといけないことを、超党派で進めていきたいと思っています。それから研究、医療以外で、生活、福祉、就労の分野があり、例えば難病というだけで解雇されるような問題があります。総合福祉法では難病の方の意見がしっかりと反映できるような形で格差を是正しないといけないと強く思っており、超党派で進めてまいりたいと思います。

 日本共産党衆議院議員 高橋千鶴子さん
話は二点です。一つは昨年の国会は解散のために採択することができませんでした。今度の国会もたいへん不正常な状態ですが、国民の請願権を守るということで、採択にもっていけるようにみなさんと一緒にがんばりたいと思います。もう一つは自立支援法の改正が当事者抜きに決めてしまったこと。また発達障害は入れたけど、難病は検討事項となり当事者運動が分断されるることで、私は反対しました。やはり当事者の声を聞けという訴えをしていきたいと思います。

 民主党参議院議員 谷 博之さん
厚労省に難治性疾患の検討チームが発足しましたが、大きく三つの課題があります。▽医療費の助成▽障害の定義への位置づけ▽研究事業への5000とも7000ともいわれる疾患のあつかいです。従来の事業プラス福祉サービスではなくて、国連における障害者権利条約に裏付けされた新しい難病対策の方向性を目指していきたいと考えています。みなさま方の声を聞きながらがんばることをお誓い申し上げ、今日の請願に対しても最大限の協力をさせていただきます。

 民主党参議院議員 辻 泰弘さん
特定疾患治療研究事業は法的背景を持たないということで、法的位置づけによる医療費助成に取り組んでいきたいと思います。指定されていない疾患は、高額療養費しかない世界ですから、高額療養費の自己負担を軽減する方向で取り組んでいきたいと思います。
なお、請願について、民主党政権になって、少し受け方が冷たいのではないかというご指摘をいただいておりますが、国民の大事な権利でございまして、しっかりと受けさせていただきます。

 民主党参議院議員 山崎まやさん
与党でただ一人、保険師、看護師のライセンスを持った議員として請願をしっかりと受け止めさせていただきたいと思います。法整備のと整のわない難病の皆さまの立場を受け止めて、何とか法制度化していかなければならないと受け止めさせていただいております。
北海度を歩いておりますと、難病医療の地域格差がございます。今国会はたいへんなことになり、スケジュールも押し迫っておりますが、先頭に立ってがんばっていきたいと思います。

 公明党衆議院議員 古谷範子さん
前政権で、難病対策関連予算を4倍の100億に増やして11の新規疾患を追加したことなど、公明党の要望で微力ながら、難病対策に尽力を発揮してまいりました。しかし、全体から考えますと少しずつの前進であり、全体の予算を増やしていかないと全員の要望にはお答えしていくことは難しいことでございます。そのことを含め、また皆さまの生活のご苦労を考え、私たちはマニフェストの優先課題に高額療養費の引き下げに掲げて取り組んでまいります。

2.請願行動 午前11時〜
 各班ごとに議員の部屋を訪ね、「署名簿」、「請願書の院への紹介」、「低料第3種郵便に関する要望書」などを手渡し、ご協力をお願いしました。

                     
 

 難病といわれる病気(特定疾患治療研究事業、難治性疾患克服研究事業対象疾患)や長期慢性疾患、小児慢性疾患(小児慢性特定疾患治療研究事業対象疾患、先天性疾患、子供の難病など)の患者・家族は、病気による苦しみや進行の不安、重症化など多くの苦しみに加え、介護者共々の高齢化と障害や、経済的、精神的にも大変厳しい状況に置かれています。さらに専門医の不足や地域医療の崩壊、医療制度や福祉制度の変化や複雑な制度の狭間で、ますます厳しい療養生活を送らざるを得ません。難病患者や長期慢性疾患の患者、子どもの難病患者とその家族が、安心して治療を受け、多くの国民と共にこの社会で生活していくことができるように、総合的な難病対策が1日も早く確立されることを願い請願するものです。

請願項目
1. 難治性疾患克服研究事業の対象疾患を大幅に拡大し、難病対策の拡充を図ってください。
2. 生涯にわたって治療を必要とする難病や長期慢性疾患の医療費助成施策を拡充してください。
3. 難病・長期慢性疾患の子どもたちの医療費助成制度の拡充、特別支援教育の充実をすすめてください。小児慢性特定疾患治療研究事業対象者の20歳以降(キャリーオーバー)や成人先天性疾患の支援策を実施してください。
4. 全国どこに住んでいてもわが国の進んだ医療が受けられるように、専門医療の地域格差の解消を急いでください
5. 医師、看護師をはじめ医療スタッフの不足などによる医療の地域格差の解消を急いでください。
6. B型肝炎・C型肝炎などウィルス性肝炎の医療費軽減や福祉的支援、障害年金給付など総合的肝炎対策の拡充を図ってください。
7. 都道府県難病相談支援センターの活動の充実と患者・家族団体の活動を支援し、難病問題についての国民的な理解を促進するため、全国難病相談・支援センターを開設してください。
8. 医療、福祉、年金、介護、労働、教育、リハビリ、移動支援、医学教育などや障害概念の見直しを含めた総合的な難病対策の実現に向けた検討を急いでください。
       

3.国会議事堂見学会(オプション)午後2時から〜
国会を身近に感じようということで、請願終了後、玉木朝子議員のお世話で国会議事堂見学を行いました。


 
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