Japan Patients Association 
 5月25日(日)、26日(月)、JPA最大のイベントとなる総会及び国会請願活動を行いました。 2日前に難病法及び児童福祉法の一部改正法が成立したなかでの記念すべき総会と国会請願であり、長年難病運動に取り組んできた患者・家族にとっては感慨深いものがありました。 しかし、全体としては「難病法が無事に成立して良かった」という一方で、これは通過点であり、ここからまた新たな取り組みがスタートしたという位置づけの2日間でした。

 第10回総会は5月25日(日)午後、東京都千代田区の日比谷図書文化館大ホールで開催され、全国から約130名が出席しました。
 伊藤代表理事は冒頭のあいさつで「衆議院、参議院とも全会派の一致で法案が成立したことはたいへん有意義であり、患者会と厚生労働省が話し合いをかさねながら一緒に法律を生むことができた」と法案成立の感想を述べました。そのうえで「これからいかに大きくりっぱなものに育てていくかが大きな課題である。多くの病気、多くの患者・家族はさまざまな違いや要素があるが、この法律が本当にいいものに育っていけるように願っているし、我々も努力しなければならない」として、これからがさらに大切だという点を強調しました。
 次に10名の来賓からも、難病法への期待や感想などを込めたごあいさつをいただきました。なかでも厚生労働省の佐藤敏信健康局長は次のようにご自身の思いを述べました。20年前、課長補佐のとき、伊藤たておさんを通じて難病患者が医療費助成のみならず介護・ケアで苦労された実態を知り、高邁な理想は難病法案をつくることだと考えた。しかし、難病法案は閣法にするには法律事項がむつかしく財源もむつかしく挫折するはめになった。せめて福祉的サービスということで当時の社会局に持ち込んだが、病状固定ということで高い壁があった。結果として、当時は公衆衛生の分野のなかで福祉的サービスを予算事業で何とか予算を確保するよう努力した。そして、月日が流れてあらためて健康局に戻ってきたとき、難病法案が検討会でご議論いただき、財源に消費税財源をあてることで国会の先生方のご理解を得て対象疾患が一挙に拡大され、障害福祉で一定の居宅サービスを展開していただけるようになったことを我が事のように喜んでいる。
 続いて新規加盟団体が紹介され、出席団体からあいさつをいただきました。この1年間に8団体が仲間に加わり、JPAは82団体で構成される組織へと成長しました。
 そして、議長に辻 邦夫氏(全国CIDPサポートグループ)及び猪井佳子氏(日本マルファン協会)を選出して議事に入りました。まず、2013年度活動報告が水谷事務局長より報告され、総合的な難病対策の法制化に向けて取り組んできた結果、難病法の成立という大きな成果を上げた点を評価する一方、現状より負担増になる点など課題も指摘されました。そして、難病法だけでは限界があり、医療保険制度の拡充を必要とするといったことなど、一年の取り組みとその評価が述べられました。また、国際交流部報告を西村由希子国際交流部事務局長が、研究班成果報告をJPA研究班研究分担者の荻島創一氏(PRIP Tokyo)がそれぞれ行い、決算報告とともに拍手で承認されました。
 2014年度活動方針は伊藤代表理事から提案され、難病対策の法制化を踏まえ患者団体の果たす役割はさらに大きくなったことが強調される一方、JPAの組織強化とそれを支える財政の実現が問われる年になったとして加盟団体の結束を呼びかけました。そして、総合的な難病対策・難病法の成立と今後の取り組みなど6項目の方針が提示されました。予算案では水谷事務局長から、来年度は収入面では非常に厳しい財政状況となることから、収入を大幅に増やしながら支出は倹約に努める緊縮財政で切り抜けざるを得ないといった内容が示されました。審議は4名の評議員の意見を踏まえ拍手で承認されました。(詳細は議案を参照ください) 今回は役員の改選はないのでこれで議事は終了です。最後は森副代表の閉会あいさつで締めくくりました。
 夕方は中華料理店「聘珍樓」で会食しながら交流会を行いました。料理はとてもおいしく、心が和むひと時であり、また難病対策が大改革されようとしているなか、私たちは歴史の生き証人としてここにいることを強く実感する思いでした。                  
                                                                  (藤原 勝)
一般社団法人 日本難病・疾病団体協議会 第10回総会 
開催日  2014年5月25日(日) 13:00~17:00
会 場 日比谷図書文化館大ホール(東京都千代田区)
参加者数 130名
参加団体数 加盟50団体、準加盟5団体
ご来賓 民主党参議院議員 党副代表 前田 武志 様
公明党衆議院議員 党厚生労働部会長 古屋 範子 様
日本共産党参議院議員 党副委員長 政策委員長 小池 晃 様
結いの党衆議院議員 厚生労働委員 井坂 信彦 様
生活の党衆議院議員 国会対策委員長 小宮山 泰子 様
厚生労働省健康局長 佐藤 敏信 様
厚生労働省健康局疾病対策課長 田原 克志 様
障害者の生活と権利を守る全国連絡協議会顧問 吉本 哲夫 様
全国保険医団体連合会事務局長 中 重治 様
認定NPO法人難病のこども支援全国ネットワーク常務理事 福島 慎吾 様
日本医療労働組合連合会書記長 中野 千香子 様
NPO法人日本障害者協議会副代表 石渡 和実 様
自由民主党 金子恵美衆議院議員秘書 同 古川俊治参議院議員秘書
アステラス製薬株式会社 総務部社会貢献担当課長 上杉 直世 様
ジェンザイムジャパン株式会社 アドボカシー推進部 毛利 明美 様
第一三共株式会社 研究開発本部研究統括部研究企画グループ 奥野 晃 様
ファイザー株式会社 コミュニティリレーション課課長 喜島 智香子 様
新規加盟団体の紹介 公益財団法人がんの子どもを守る会
血管腫・血管奇形の患者会
側弯症患者の会(ほねっと)
大動脈炎症候群友の会(あけぼの会)
ミオパチー(筋疾患)の会オリーブ
つくしの会(全国軟骨無形成症患者・家族の会)
一般社団法人こいのぼり(ミトコンドリア病)
NPO法人日本間質性膀胱炎患者情報交換センター
祝電・メッセージ 日本医師会 会長 横倉 義武 様
一般社団法人日本筋ジストロフィー協会 代表事長 貝谷 久宣 様
自由民主党衆議院議員 厚生関係団体委員長 永岡 桂子 様
生活の党 代表 衆議院議員 小沢 一郎 様
社会民主党 党首 衆議院議員 吉田 忠智 様
衆議院議員 大西 健介 様
衆議院議員 山井 和則 様
衆議院議員 中島 克仁 様
参議院議員 川田 龍平 様
衆議院議員 高橋 千鶴子 様
参議院議員 山口 和之 様 
株式会社北海道21世紀研総合究所 代表取締役社長 檜森 聖一 様 
日本製薬工業協会 会長 手代木 功 様
アステラス製薬株式会社 代表取締役社長 畑中 好彦 様
議 長 辻 邦夫(全国CIDPサポートグループ)
猪井佳子(日本マルファン協会)
議 案 第1号議案 2013年度活動報告
第2号議案 2013年度決算報告(監査報告)
第3号議案 2014年度活動方針
第4号議案 2014年度予算

写 真

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日比谷図書文化館


あいさつ


伊藤たてお代表理事


来 賓

前田武志参議院議員


来 賓

小池 晃参議院議員


来 賓

井坂信彦衆議院議員


来 賓

古屋範子衆議院議員


来 賓

小宮山泰子衆議院議員


来 賓

佐藤敏信健康局長


来 賓

全国保団連 中 重治事務局長


来 賓

日本医労連 中野千香子書記長


来 賓

障全協 吉本哲夫顧問


来 賓

日本障害者協議会 石渡和実副代表


来 賓

難病のこどもネット 福島慎吾常務理事


議長団 

猪井佳子(左)、辻 邦夫(右)


総会の様子


総会の様子


総会の様子


乾杯 大阪難病連 湊氏


交流会の様子


とてもおいしかった



 
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