2012JPA国会請願

請願団体 日本難病・疾病団体協議会(略称 JPA) 》》詳細はこちら
名  称  「難病、長期慢性疾患、小児慢性疾患の総合的対策を求める」国会請願
実施日時  2012年5月28日(月) 国会請願集会      午前10時から11時
                      各議員への請願行動 午前11時から
                      まとめの集会       午後2時30分から3時
会  場  衆議院第2議員会館、多目的会議室
署名数   約78万筆
紹介議員 衆議院》》こちら
       参議院》》こちら
結  果 衆議院;採択の上内閣送付/平成24年 9月 7日
      参議院;審議未了
(第180回国会会期末は9月7日)
 
  山と積まれた請願署名
 
今回は、若い方たちも勇気をもって訴えられました。
1型糖尿病の田積幸恵さん(右)は「体調のコントロールが難しく今は仕事もできずにいます。何の保障もないのがとてもつらいです。」と声を詰まらせてながら話されました。

公明党の江田康幸衆議院議員(右)に「新しい難病対策の推進を目指す超党派議員連盟」jの実現に向けた要望書を手渡す伊藤代表理事(左)

民主党の岡崎トミ子参議院議員(右)に「新しい難病対策の推進を目指す超党派議員連盟」実現に向けた要望書を手渡す伊藤代表理事(左)
国会請願と並行して、伊藤代表理事、森副代表理事など役員は、各党の議員を訪問し「新しい難病対策の推進を目指す超党派議員連盟」を結成していただくための要請をおこないました。超党派議員連盟の結成は、今後の難病対策をすすめるうえでのカギとなりそうです。
 
(追記)
9月6日「新しい難病対策の推進を目指す超党派国会議員連盟」設立総会が参議院議員会館講堂において開催されました。

 


1.請願集会 午前10時~11時
(1) 司会あいさつ
(2) 主催者あいさつと請願の説明
(3) 国会議員激励のあいさつ
(4) 会場からの発言
(5) 要請行動の班割の確認等

主催者あいさつ
 日本難病・疾病団体協議会代表 伊藤たてお
昨日の総会に引き続きさまざまなことを感じましたが、新しい難病対策あるいは医療政策、長期慢性疾患対策は、研究者や行政の視点ではなく患者の視点から作られるべきだということを強く実感しました。患者の視点で患者のために当事者も参加して作る難病対策、そういう時代であるべきだろうと思います。とかく患者は権威に弱いということがございます。それは先生方が患者のためにがんばっていただいていることもあります。しかし、研究のための患者ではなく、患者のための治療や研究であるべきということです。今日は各議員の先生方をまわるときに、そういう心構えで挑んでいただきたいと思います。

激励のあいさつ
 民主党参議院議員 谷 博之さん
JPAからご要請をいただいていることの中に、すべての政党、国会議員の皆さまが協力して、ある意味では超党派の議員連盟を作る必要があるだろうということがあります。これは私どもだけでできることではなく、すべての党の国会議員の皆さん方の気持ちを一つにしてすすんでいかなければなりません。そういう意味では今日ご出席の国会議員の皆さまは同じ思いを持っていただいていると思います。私個人的には、超党派の議連を作るための活動をすすめてまいりたいと思います。それから、難病に特化した法律を皆さんと一緒に作っていくことが恒久的に難病対策に取り組めるいしずえになると私は思っております。

 民主党衆議院議員 竹田光明さん
民主党の中では難病対策委員会の事務局長をしています。個人的な話ですが、私の次女は900㌘の超未熟児で生まれ母はリウマチ、父は脳出血ということから、35歳ぐらいからほとんど毎日を病院で過す日々が続きました。5、6年してどうにかみんな落ち着きましたが、大勢の方のお世話になりました。そういうことから命だけは格差があってはいけないという思いでやっています。今日ちょうだいする(請願)は、今あらためてこれを出さなければいけないということで、日本の対応の遅れを実感しております。来年の総会では「おかげさまで実現できました」と報告できるように微力ですが玉木議員と共に精いっぱいがんばります。

 日本共産党参議院議員 田村智子さん 
皆さんの提起はすべての党派の共通の認識になっているのになぜ採択されないのかということが、今回つき動かさなければならないところだと思います。請願署名の中身の検討は少数の理事だけで行われていて、委員会全体での審議が無いまま採択か保留かの結論が出ます。今、いろいろな事情があり参議院は2カ月近く何の委員会も開かれない事態になっています。だったら、請願について参考人質疑という場を設けて、とりわけほぼ全会派が出している請願については皆さんからの意見を委員が聴いて考える場を作れないか提案していきたいと思います。ぜひ、力を合わせてがんばりたいと思います。

 公明党参議院議員 山本博司さん
今年は障害者総合支援法という形で福祉分野で難病の検討がありました。私も実務の担当でそのことを訴えてまいりました。残念ながら財源が足りないということで、すべての難病の方々が福祉サービスを受けられるかというと、まだ議論の中ですが、かなり制限があるのではないかという課題があります。また、皆さんの請願の中で都道府県の難病相談支援センターの充実ということを謳っておられます。このように自公政権時代の2億6000万円から1億6000万円というように予算が減っている分野もあるわけでございます。こうした財源も含めて、医療、福祉の総合的な支援体制が必要であると思います。

 自民党参議院議員 上野通子さん
国会議員の前は、栃木県で2期県会議員をやっておりましたが、そのときから難病対策にも力を注いできたつもりでございます。先ほど、患者の視点に立って患者の立場から制度を変えなければいけないというお話がありました。私は、それと同時に患者を支える家族、施設、地域などの多くの方々と常に接することで、レスパイトケアの必要性、施設の充実、学校教育のあり方などを考えてまいりました。まだまだ地方にはいろんな問題が山積しておりますが、そうした地域の声を聴いて、患者の声と共に家族の声も合わせて聴いて、そこから何か発信していくことが大事だと思います。どうぞよろしくお願いします。

 みんなの党参議院議員 上野ひろしさん
私も当選以来(請願の)紹介人をさせていただいておりますが、参議院ではまだ採択に至っておりません。今日は超党派でたくさんの先生方がいらっしておりますので、ぜひ参議院でも採択に向けてしっかり取り組んでいきたいと思います。私の身近でも、生体肝移植を受けた患者さんがおられます。また腎臓病でアメリカのクリープランドまで行って移植を受けようと思ったのですが、手術の直前に感染症で亡くなった方がおられます。私自身も難病対策、慢性疾患対策を自分自身の問題として受け止めさせていただいております。皆さま方と共にたたかい、きちんと成果があがる活動にしていければと思います。

 民主党衆議院議員 三宅雪子さん
皆さまの78万筆というたいへんな署名を受け止め、皆さまの声をしっかりと受け止めて、なかなか理解してもらえない病気の方々の代弁者となりやっていきたいと思います。私の元々の立候補のきっかけというのは、こうした難病をお持ちの方々、障害をお持ちの方、そして社会で埋もれた方々を助けたいという思いからです。現在、厚生労働委員でそうした仕事に携わらせていただいています。
重い障害をお持ちの方、重い難病の方々のために、しっかりとたたかい、仕事をしていきたいと思います。よろしくお願いいたします。

 民主党衆議院議員 玉木朝子さん
昨日、何人かの方々から請願に関しまして、民主党の議員から紹介議員になれないと断られた県が出ているというお話をいただきました。これは党の中での連絡の不一致、または考え方の不一致等で、皆さま方にご迷惑をおかけしたと思います。けっして、それが民主党の中で難病対策に手を抜いているということではないということだけは、ぜひ分かっていただきたいと思います。今日、受け取っていただけないところがございましたら玉木事務所で全部受けたいと思いますので、その点はご容赦願います。私と竹田先生は一期生で微力でございますが党の難病対策小委員会で全力を挙げてがんばりたいと思います。

 民主党衆議院議員 福田昭夫さん 
総務大臣政務官の福田です。私は玉木先生と一緒で栃木県の出身でございまして、難病の皆さんがたいへん苦労されていることやがんばっておられることを玉木先生からよく伺っております。
皆さんと共に力を合わせてがんばっていきたいと思いますので、どうそよろしくお願いいたします。

 公明党衆議院議員 江田康幸さん 
今回、障害者自立支援法の中で障害の定義を大きく変えて難病の皆さま方が初めて入るようになったことは、たいへん大きな前進の国会であったと思っております。それから小児慢性特定疾患のキャリーオーバーの問題はあってはならないことで、やはり総合対策を盛り込んだ難病対策基本法を成立させていくことがいかに大事であるかということです。これは我々はマニフェストに以前から出しております。この難病対策基本法の制定に向けて、私は各党の要になって実現できるように全力で取り組みたいと思っております。今日の国会請願は、私も責任をもって国会に提出して、動かしてまいりたいと思います。


2.請願行動 午前11時~
 各班ごとに議員の部屋を訪ね、「署名簿」とともに「請願書の院への紹介」をお願いしました。

                    
 
 難病といわれる病気は5,000から7,000もある(厚生労働省調べ)といわれています。そのうち国の難病対策として研究対象になっているのは、難治性疾患克服研究事業として臨床研究分野130疾患(うち医療費公費助成対象の疾患は56疾患)、研究奨励分野214疾患(平成22年度)を指定しているに過ぎません。また、小児慢性特定疾患治療研究事業では514疾患を指定していますが、20歳の誕生日を迎えたその日から医療費の公費助成は打ち切られます。さらに多くの長期慢性疾患は医療費の公費助成を受けることができません。保険適用外の未承認・適応外薬を使用せざるをえず、さらに高額の医療費負担を余儀なくされる患者も少なくありません。
 これらの患者は、病気による苦しみや進行の不安、重症化など多くの苦しみに加え、重い介護が家族の負担になる場合が多く、経済的、精神的にも大変厳しい状況に置かれています。
 さらに専門医の不足や地域医療の崩壊、医療制度や福祉制度の変化や複雑な制度の狭間で、ますます厳しい療養生活を送りながら、生涯にわたる医療費の負担にあえいでいます。
 「難病」は決して特別な人だけがかかる病気ではありません。いつ誰がかかるか分からないのです。難病患者や長期慢性疾患の患者、子どもの難病患者とその家族が、安心して治療を受け、一人の国民として、多くの国民と共にこの社会で生活していくことができるよう、総合的な難病対策が一日も早く確立されるよう請願するものです。

請願事項
1. 医療、福祉、年金、介護、就労支援などを含めた、総合的な難病対策の実現を急いでください。
2. 高額療養費制度の見直しを行い、患者負担を軽減してください。生涯にわたって治療を必要とする難病や長期慢性疾患の医療費助成施策の拡充を行うとともに、当面、難治性疾患克服研究事業及び特定疾患治療研究事業の対象疾患を拡充してください。
3. 難病・慢性疾患の子どもたちの医療費助成制度の拡充、特別支援教育の充実をすすめてください。特に小児慢性特定疾患治療研究事業対象者の20歳からの医療費助成を継続(いわゆるキャリーオーバー問題の解消)してください。
4. 全国どこに住んでいてもわが国の進んだ医療が受けられるよう、専門医の充実を図るとともに、医師、看護師、医療スタッフの不足による地域医療の不平等の解消を急いでください。
5. 都道府県難病相談・支援センターの活動の充実と患者・家族団体の活動を支援し、難病問題についての国民的な理解を促進するため、全国難病相談・支援センターの設置を検討してください。

  
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