政府は、東京電力福島第一原発事故で福島県内の4町村(浪江町の一部、飯館村の大半、川俣町山木屋地区、 富岡町の大半)に出していた避難指示を3月31日と4月1日に解除しました。対象は帰還困難区域を除く移住制限区域、避難指示解除準備区域で対象者は3万2000人になります。
これにより事故直後には11市町村で約8万1000人に出されていた避難指示は、対象区域の7割で解除されたことになり、全く解除されていないのは、第一原発立地自治体である双葉町、大熊町だけになりました。
ただ、2015年9月に解除された楢葉町では、解除から1年以上たっても帰還者は1割程度にとどまっています。今春解除された4町村でもインフラ復旧は最低限にとどまり、医師や看護師不足などで医療体制は限定的であることを考えると、帰還者がどれぐらいになるか目処が立ちません。
政府は避難解除の線引きを、放射線量が年20ミリシーベルト以下と定めました。年20ミリシーベルトはけっ して低い数字ではありませんが、新聞等の報道によると政府が避難解除を優先する狙いの一つは損害倍賞との関係のようです。政府は解除区域の東電による慰謝料支払いを一律2018年3月で打ち切る予定だといいます。ただでさえ就労が難しいのが被害に難病等をもつ人たちですが、そうした方々の来春以降の生活が心配されます。
2017年4月1日、不通となっていたJR常磐線の小高―浪江駅間の8.9キロが6年ぶりに運転が再開されました。第一原発に近い浪江―竜田駅間は現在も不通が続いています。JR東日本は、2019年度末までに全線の開通を目指しています。
(HP担当 藤原) |